前回の遠征の1週間後、東日本大震災が日本を襲った。大地震と大津波は数多くの命を奪い、破壊された福島第一原子力発電所から出た放射性物質は国土を汚染している。1人の人間として、そして1人の日本人として心が痛む。得たものが何もないとは言わないが、失ったものはあまりに大き過ぎる。そして、これから失うものも計り知れない。だが、いつまでも不安と悲しみにとらわれてばかりではいけない。犠牲者や遺族への配慮はもちろん必要だが、何もかも自粛では日本の経済は立ち行かなくなるからだ。復興に向けたサポートを行いつつ、普通の生活を送るべきだと俺は考える。

 ということで、震災後しばらくすると本格的な春の訪れとともに脳内参謀本部も動き出した。過去2回の遠征は関東だったが、今回は多肉の聖地である北の長野方面に侵攻することにした。内陸部である長野は寒さが厳しいので、冬季の訪問は迷惑をかけることも考えられるし、何より不慣れな雪道の運転には危険が伴うからだ。しかし、もう4月。「weathernews」のサイトで長野の気温をチェックすると大丈夫そうな感じである。かくして参謀総長 コレ=ホシーホシー上級大将はUnternehmen Weserübung(ヴェーザー演習作戦)を立案した。前日までに電話確認をし、訪れる業者を決め、ルート設定とスケジュールを組む。嫁に文句を言われないように、嫁が仕事に出かける土曜日を作戦決行日に選んだ。なお、今回も動員兵力は3個師団である。

 4月2日、4時半に起床。今回も目覚めは良い。身支度を整え、出発しようとしたが車のエンジンがかからない。こんな時に故障だなんてついてない。「整備兵ぇーっ!!!」と叫びたいところだが、呼んでも誰も来ないので自分でなんとかするしかない。なんとか5分ほどでエンジンがかかるようになり、ようやく出発することができた。国道52号線を北上し、山梨に入ってからはアウトバーン高速道路にのって長野へ。

 最初の目的地は西沢サボテン園。通信販売で何度もお世話になったが、訪問は今回が初めてとなる。今回の遠征の2番目に重要な拠点である。着くのが早過ぎてしまったので、付近で1時間ほど時間をつぶし、8時半のオープン直後に突撃した。


入口の看板


ホームページのあのサボテンたち


サボテンのハウス


サボテン以外のハウス


強刺類のサボテンたち


美しいE.horrida(ホリダ)


並物のホリダたち


ホームページに掲載されているユーフォルビアも


ユーフォルビアいろいろ


スーパーバリダと呼ばれるタイプのE.valida(万代)


数種の花キリン類


よくわからないことになっているE.obesa(オベサ)

 温室は全部で4棟で、サボテン3棟とその他多肉植物1棟。サボテンの品揃えはとても充実している。ユーフォルビアは花キリングループが多く、他にも柱状グループと球状グループも普及種が一通り揃っている。タコ物グループはE.flanaganii(孔雀丸)が1鉢あっただけだった。1時間ほど見学させてもらって、ユーフォルビアを3鉢お持ち帰りすることにした。3種ともマダガスカル産の花キリン類である。下の写真左前はE.capmanambatoensis、写真左後ろはE.neohumbertii(噴炎竜)とE.perrieri(ペリエリー)、写真右はかなり昔から売れ残っているという山採りの塊根性の不明種。9個連隊と8個大隊の兵力を消耗。


西沢サボテン園での戦果

 2軒目は高木カクタス。国道19号線を北上し、日本カクタス連盟のホームページに記載された住所に行ったら、そこは園主さんのご自宅だった。栽培所がわからないので電話をしたら迎えに来てくれた。ご自宅から栽培所までは車で10分ほど。


入口の看板


サボテンのハウス@


サボテンのハウスA


サボテンのハウスB


サボテン以外のハウス


E.bupleurfolia1 ‘Gabizan’2(怪魔玉)がいっぱい


宇多ゼブラホリダと万代


ホリダの班入り

 温室は全部で4棟で、サボテン3棟とその他多肉植物1棟。広々とした温室内にたくさんの鉢が並べられていた。できればこんな温室が1棟でいいから欲しいものだ。値段も比較的リーズナブルだと思う。サボテンを1つか2つ買おうと思ったが、本命がまだ先に控えているので我慢した。ユーフォルビアの品揃えはホリダや万代などの普及種のみ。ぷりっとした怪魔玉と花枝とゼブラ模様が素敵な万代をお買い上げ。1個連隊と5個大隊の兵力を消耗。


高木カクタスでの戦果

 3軒目は帯向園芸。高木カクタスから西進し、ちょっと迷ったものの15分ほどで到着。防寒対策でまだビニールシートをかけているとのことなので、ハウス内の写真撮影は控えた。


左はE.coerulescens(大鳳角)、右は不明種


地植えで大きく育ったE.enopla(紅彩閣)


E.stellaespina(群星冠)なども地植えされていた


右側2列が怪魔玉の雌株、左側は雄株

 7棟ほどのハウスにいろいろな多肉植物が雑多に置かれたり、地植えされていた。千葉の二和園のような感じだが、宝探し感はそれ以上だ。写真を撮れなかったのが残念だが、次回の訪問では公開できると思う。ユーフォルビアは数年前まではたくさんあったが、今はもうあまり残っていないとのことだった。見たのはオベサ・ホリダ・万代・怪魔玉・紅彩閣・E.ferox(勇猛閣)・群星冠・孔雀丸など。E.mammillaris var.(白樺キリン)と紅彩閣が地植えで巨大化していたのが印象的だった。子吹きしているE.schoelandii(闘牛角)が欲しかったが、カキ仔を取りたいとのことなので断念し、1鉢だけあったE.clandestina(逆鱗竜)・大鳳角・勇猛閣の3つを購入。逆鱗竜は好きなユーフォルビアなので、見ると買いたくなってしまう。大鳳角と勇猛閣は地植えのものを抜いてもらい、抜き苗でお持ち帰り用段ボールに箱詰めした。消耗した兵力はわずか1個連隊。


帯向園芸での戦果

 当初の計画ではもう1軒行ってから昼食の予定だったが、遅れているので昼食を先に食べに行くことにした。なぜなら目的のラーメンは1日5食限定だからだ。事前にインターネットで見つけておいた「こぶたのさんぽ」の安曇野二郎である。帯向園芸から国道147号線を北上し、12時半に到着。ピーク時ということもあり、ちょうど俺が席について満席になった。無事にお目当てのラーメンを注文することができた。評価としては、チャーシューの味は本家以上、味は本家同等、ボリュームは本家以下ってところかな。


安曇野二郎の野菜マシマシ

 食後、付近にある錦豊園へ。愛知県春日井市で多肉植物のイベントに参加されているとのことで園主さんは留守だったが、息子さんがとても親切に案内してくれた。


ハウス@


ハウスA


ハウスB


地植えされた各種リトープス


実生3年ほどというE.bupleurfolia(鉄甲丸)


E.flanaganii cri.(孔雀の舞)のように見える紅彩閣綴化

 実生のサボテンを育成する5棟ほどのハウス群と親株などを育成するハウス群に別れていた。前者の中には伊豆シャボテン公園に卸している小さな実生サボテンがたくさんあったが、ユーフォルビアはホリダがあったぐらいだった。後者のハウスにはサボテンの親株だけでなく、リトープスがたくさん植えられていた。ユーフォルビアは鉄甲丸が育成されていた。値段を訊いたらリーズナブルなお値段だったので、1株抜いてもらった。さらに、立派な群星冠錦も長野ではうまく育たないから良かったら持っていってと言ってくれた。事前に電話をした時にユーフォルビアはほとんどないと園主さんに言われていたけど、ここに来て良かった。鉄甲丸のお釣りは受け取らなかったので、兵力の消耗は1個連隊。


錦豊園での戦果

 ここから再度高速道路にのってさらに北の長野市へ。石川園を訪問する予定だったが、電話したら臨時休業だったので、その次に訪問する予定だった本日の最重要攻略拠点である堀川カクタスガーデンへ行き先を変更した。迷った末になんとか到着。


多肉のハウス


球状グループと柱状グループ@


球状グループと柱状グループA


E.friedrichiae(白鬼塔)と名札があるが。。。


E.maleolens(群蛇丸)2鉢


たぶんE.fruticosa 左側の一部が綴化している


オベサの綴化


E.micracantha(怒竜頭)


ホリダのモンスト(左)とE.clivicola(クリビコラ)(右)


柱状種(札落ち)


俺の大好きなタコ物がいっぱい うっひょ〜♪


E.gorgonis(金輪際)の綴化


花キリングループ@


花キリングループA


立派な金輪際たち


貫禄さえ感じさせるE.decepta(大宝冠)


塊根種(札落ち)


ナミビアから来た不明種のタコ物

 温室の中には数多くの多肉植物が並び、そこはまるでヴァルハラパラダイス。しかし、時間がないので、サボテンなどを見るのを諦めてユーフォルビアのみに絞った。ものすごい品揃えのユーフォルビアを前にしてため息しか出なかった。あれもこれも欲しい。う〜ん、宝くじが当たれば全部買えるのに。ちょっと予算オーバーだが、2個師団を投入することを決める。どうしても買いたいものを1ヶ所に集め、そこから購入を諦めるものを引き算で決めることにした。でも、どれも欲しいので決められずにうんうん唸っていたら、園主さんが遠くからきてくれたからおまけしてあげると言ってくれた。写真上段左からE.baioensis(バイオエンシス)、E.inornata(蛮城砦)2鉢、群蛇丸、金輪際、写真下段左からE.tridentata(名札によれば)、E.gamkensis、タイプの異なる金輪際2鉢、E.lophogona(摩利支天)、クリビコラの合計11鉢。2個師団の兵力を消耗した。


堀川カクタスガーデンでの戦果

 堀川カクタスガーデンを出ると、既に16時半。当初の作戦計画ではこの後に小諸市と佐久市にまで足を伸ばす予定だったが、移動時間を考慮すると日没前の訪問は不可能に近い。『遠すぎた橋』、いや遠すぎた佐久ってところか。まあ、それはマーケット=ガーデン作戦なんだけど。。。撤退は迅速に行うのが肝である。往路と同じ道を通って、20時に無事に帰宅。走行距離は522キロ。スケジュール的には予定通りにいかなかったが、収穫を思えば今回の遠征も大成功と言えるだろう。温かく迎えてくれた5人の園主さん及び関係者の方々に感謝し、作戦報告書を終了する。






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